美しい絵柄やツヤをまとった輪島塗は扱いが難しく、日常使いするにはハードルが高いと感じていませんか。
実は輪島塗は使いやすさを備えている漆器です。
この記事では、輪島塗の魅力や普段使いしやすいタイプ、おすすめの器の種類などをまとめました。
お手入れ方法や扱うときの注意点も合わせて紹介します。
お気に入りの輪島塗を使えば、暮らしの質がぐっと引き上がるのが感じられるでしょう。
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購入より安く試すことができますのでぜひチェックしてください。
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輪島塗漆器はどんなもの?自分用とする5つの魅力と良さ
石川県輪島市で作られている輪島塗。
輪島塗として認められるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
- 木地を使用していること
- 布着せをしていること
- 下地に地の粉を使用していること
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輪島塗があるだけで日常生活が華やかな気持ちになる
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ツヤや光沢に加え鮮やかな絵柄に高級感がある
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すべて職人による手作りで同じ作品はない
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使い続けると色合いが美しく変化する
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丈夫なため普段使いしても長時間愛用できる
輪島塗があるだけで日常生活が華やかな気持ちに
輪島塗の魅力は何といっても見た目の美しさでしょう。
無駄のない形状、ぽってりと膨らみのある塗り、朱や黒などの深い色合い、繊細な絵柄には思わず眺めてしまう美しさがあります。
輪島塗のお椀は陶器などの食器とは違い、ひんやりとしない温かみがあり、手に持つと吸いつくようで、口に当てれば滑らかさを感じます。
輪島塗を日常使いすると食卓がパッと華やかになり、豊な気分になるでしょう。
ツヤや光沢に加え鮮やかな絵柄に高級感がある
漆器は各地で生産されていますが、塗りの技術が秀でているのが輪島塗です。
漆器の良さの1つにツヤやかな光沢があります。
輪島塗の場合、特に特徴的なのが底ツヤです。
底ツヤとは時間の経過とともに漆の透明度が増すことで、漆の膜の底から光がかえってくることで生まれるツヤのことです。
漆の奥で包んでからはねかえすので、ピカピカとしたツヤではなく、上品でしっとりとしたツヤになります。
それぞれの加飾方法と特徴は以下の通りです。
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蒔絵(まきえ):蒔絵は漆で絵を描き表面に金粉などをのせる装飾
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沈金(ちんきん):漆器の表面をノミで彫り金粉などを埋め込んで装飾
輪島塗は繊細な加飾と塗りによる独自の光沢感で、高級感のあるたたずまいをしています。
すべて職人による手作りで同じ作品はない
輪島塗はすべて職人による手仕事で作られています。
1人の職人が全行程を受け持つのではなく、それぞれに専門職がある分業体制です。
分業制は江戸時代には確立され、現在では11職を超えています。
さまざまな職人を介しながら1つの作品は完成します。
担当する工程が限られて専門化が進んだため、クオリティの高い作品が多く生み出されています。
複数の職人を通し、手仕事で作られている輪島塗は、2つとして同じものはありません。
まるで自分のためだけに作られた器を、普段の暮らしの中で使えるような贅沢感が味わえます。
使い続けると色合いが美しく変化する
輪島塗は使い続けるほどに色合いや質感が変わります。
人が触れると手から水分や皮脂を吸い取り、それが美しいツヤに変わるからです。
経年変化はウレタン塗装などの他の器では見られない現象です。
輪島塗は時間が経つとともに漆の膜の透明度は増していきます。
表面に細かい傷がつくとツヤは薄くなっていき、しっとりとしたツヤへ変化します。
これが先ほど説明した底ツヤで、使用を重ねると器に味わいが増すのです。
また、色の変化は白漆の場合に大きく現れます。
初めはベージュ色をしていますが、月日が経つにつれてミルクティーのような色合いへと変化するのです。
愛着を持って器を育てる楽しみが、体験できるのも輪島塗のいいところです。
丈夫なため普段使いしても長時間愛用できる
輪島塗がなぜ有名かというと、その丈夫さが一因です。
輪島塗が強固な理由は2つあります。
1つは、縁が割れにくくなる本堅地(ほんかたじ)の工程があるためです。
本堅地の工程では、輪島塗のお椀の縁に布を貼る「布着せ」をします。
また、下塗りに使う漆には断熱と強化の目的で「地の粉」が混ぜられます。
地の粉とは輪島で取れる珪藻土を焼いて細かく砕いた粉のことです。
地の粉を使用するのは輪島塗独自の工程です。
輪島塗が強固なもう1つの理由は、天然素材の木や漆を使っているためです。
木地は十分に乾燥してから使い、成形後も乾かすため、割れや変形をおこしにくく結果的に強固になります。
また、時間をかけて漆をゆっくりと固めるため、定着した後は強度が増し、剥げにくくなっています。
素材にこだわり、また各工程を丁寧に行うことにより、高い強度を誇っているのです。
輪島塗漆器を自分用として普段使いするには高い?
輪島塗には10万円を超える商品があります。
有名な職人が作ると、さらに1,000万円をこえるものなどもあり、非常に高い値段がついています。
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制作期間が1年以上と長く大量生産ができない
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職人の技術の習得、育成に時間がかかり人件費がかかる
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豪華な加飾や天然木、漆などの材料費がかかる
無地の値段の平均は1~2万円程度です。
加飾のある器は手入れが大変なため、日々の暮らしで使うならば、扱いやすい無地の器がおすすめです。
また、和食器レンタルサービス「LIFT」であれば、初月8,000円程度で輪島塗のお椀やカップをレンタルできます。
使って飽きたらいつでも返却でき、返却した月以降は料金はかかりません。
「輪島塗を買ってみたけどあまり使わなかったらもったいない…」と考えて買うか迷っている方は一度チェックしてみてください。
普段使いや日常使いにおすすめの輪島塗漆器
輪島塗を日常使いできるように、6種類の食器別に使うシーンをシミュレーションしました。
お椀はご飯も味噌汁も多用途に使える
お椀は普段使いできる漆器としてご自宅に備えると便利です。
丸みを帯びた形状で、味噌汁だけでなくシチューやポトフを入れる使い方も楽しめます。
輪島塗の最高級のお椀は10万前後で購入が可能ですが、普段使いのお椀の相場は何円かというと1~2万円台で展開されています。
漆器は陶器の約半分程度の重さで、お子様や高齢の方でも持ちやすいのが魅力です。
どんぶりは温かい麺類も問題なし
具だくさんの温かい麺類を快適に食べたいなら輪島塗のどんぶりがおすすめです。
漆器は陶器などと違い熱が伝わりにくいため、器に手を触れても熱さを感じにくいからです。
スープをすするときにも難なく両手で持ち上げられます。
お椀と同様に木製で軽いため、腕に負担がかかりません。
何に使うかはアイデア次第で、サラダや親子丼などの料理を盛り付けるのにもぴったりです。
朱や黒などの色が料理を美味しそうに引き立てます。
強度があるため金属製のカトラリーが器に当たっても傷がつきにくくなっています。
おちょこやぐい吞みは毎日の晩酌に特別感を与える
テーブルに置いただけでも絵になる輪島塗のぐい吞みは、持ち上げたときのしっとりとした触感や、飲み口からお酒が違和感なく滑り込んでくる感触を楽しめます。
漆器はお酒の味わいをまろやかにするといわれています。
輪島塗のちょっといい酒器で飲むお酒の味は格別で、晩酌をいつもとは違う、とっておきの時間へと変えるでしょう。
湯呑みやカップは日常の飲み物に使える
輪島塗の漆器をどんなときに使うか迷っているならば、湯呑やコーヒーカップなどを取り入れてみませんか。
漆器は軽いため、握力が弱い年を重ねた方や入院している方でも扱いやすいのが良さです。
万が一手からつるりと落ちてしまっても、輪島塗ならば簡単には割れません。
熱い飲み物をカップ内に注いでも、外側はほんのりとした温かさが伝わるだけで、紅茶やカフェオレを楽しみたいときにもぴったりです。
お皿は取り皿やおかず用に使用
輪島塗の漆器のお皿も毎日使える器です。
幅広い料理を盛り付けできるからです。
漆器を普段使いするいいところは、スプーンやフォークなどが食器に当たっても、カチャカチャと音を出さないところです。
大きめの朱の漆器ならば、パンや目玉焼きを盛り付けてワンディッシュの朝食に、黒い漆器ならばカレーやステーキを盛り付けて夕食に、などさまざまな使い方ができます。
小皿ならば、食事の取り皿や菓子皿として使うとおしゃれです。
漆器のお皿は高級感があり、いつもの食卓が華やぎます。輪島塗のお皿を何に使うか考えるのも楽しい時間です。
箸はマイ箸として持ち歩くとおしゃれ
環境面やSDGsへの意識の高まりによりマイ箸が注目されています。
外食する際に輪島塗の美しい箸を取り出して使えば、その重厚感に視線を集めそうです。
もともと漆には殺菌力があるため、マイ箸として持ち歩くのにも適しています。
加えて輪島塗の箸は何度も漆が塗られているため、丈夫で折れにくいのも魅力です。
輪島塗の箸は上品さと華やかさを併せ持ち、数千円程度と比較的に低価格なため、初めて漆器を使う方にも取り入れやすいアイテムです。
輪島塗漆器を長持ちさせる使い方やお手入れの注意点
輪島塗は日常生活でさまざまに利用でき、丈夫で使いやすいというメリットがあります。
しかし、木と漆の天然素材でできているために、扱い方が陶器などとは異なるデメリットもあります。
使用するにあたり「輪島塗を洗う時には何に注意したらいい?」「輪島塗のお椀にお湯は入れてもいいの?」などの疑問も湧いてきます。
そこで、漆器製品の正しい使い方やお手入れ方法をまとめました。
まず、購入したばかりのときにしたいことは、漆の匂いをとることです。
匂いは数カ月で抜けますが、気になるときには次のようなお手入れをしてみましょう。
包みから出して漆の匂いを飛ばし、柔らかいスポンジに中性洗剤をつけて洗います。
それでもまだ匂いが残る場合は米びつに3日ほど入れます。
柔らかい布に酢を含ませて拭くのも効果的です。
次に漆器の洗い方と使い方の注意点をまとめました。
1度覚えてしまえば、お手入れは簡単です。
色ツヤを長もちさせるためにも、扱い方に気をつけましょう。
輪島塗漆器の普段使いに関するよくある質問
輪島塗の漆器を普段の暮らしで利用する際に気になる点をまとめました。
輪島塗漆器はどれくらい持つ?
強度が高いことで有名な輪島塗は、1度購入すると半永久的に何代にもわたって受け継ぐことができる漆器です。
ツヤが失われたり塗りが剥がれたりしても、塗り直しや修理ができるため、長期間使い続けられます。
また、こんな話もありました。100年程前の韓国で2000年間も泥水に浸った漆器が光沢のある状態で見つかったというのです。
この事実からも漆器自体が丈夫な器であることがわかるでしょう。
漆器は間違った使い方をしなければ、長期間使い続けられる器なのです。
輪島塗漆器は欠けても修理できる?
輪島塗は、劣化が進んでいても修理が可能です。
表面の漆が剥げたりまだらになったり、欠けたりしていても修復できます。
また、木地に亀裂が入っていたり欠けたりしていても修理が可能です。
輪島塗は工程ごとにしっかりと仕上げられているため、直しができるのです。
輪島塗では修理のことを「なおしもん」といい、修理して使い続ける文化が根付いています。
輪島塗は傷や劣化が気になったらば修理して使い続けられるコストパフォーマンスの良い器です。
輪島塗を普段使いして憧れの優雅な生活を送ろう
素晴らしい加飾が特徴の輪島塗は、特別な場面で使用するイメージがありますが、無地ならば普段使いができておすすめです。
使い方や洗い方に注意点はあるものの、慣れてしまえば簡単に普段の生活に取り入れることができます。
強度があり、軽くて熱伝導率が低く、食べたり飲んだりしやすいからです。
漆を何層にも塗り重ねて作られた美しい見た目の輪島塗は、いつもの食事の時間を優雅なものにしてくれるでしょう。
和食器のレンタスサービス「LIFT」では普段使いにぴったりな輪島塗を気軽にレンタルできます。
「輪島塗を普段使いしてみたいけど購入するのは高くて気が引ける」という方は、ぜひチェックしてみてください。
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